おかるのアキレス腱というか、結構長いこと弱点とされていたのが、「印刷できないよう(ーー;)」ということ。昨年実施したおかるアンケートでも、一番要望が多かったのが印刷機能の装備です。おぬまさんも、要望を気にはしていたようですが、おじゅうやらおでたやら、あっちもこっちも手をつけているうち、ここまでのびのびになっていました。さすが、目移りの天才、膀胱の小さな男、つまり頻尿の心を地で行くおぬまさん。いやあのびたねえ。７年間も……。

これが噂の印刷ツールだ！

失敗作の山

「準備はしていたのだよ、それとなく」
などと、うそぶくおぬまさんですが、印刷機能の開発に腰をすえてのべ１ヶ月近く、とうとう実現に向けて試運転が始まったようです。右の写真を見てください。なんだこりゃ？

ふんふんふん、そこに落ちてる紙はなんだい？いいじゃないか、ちょっと位見せてくれよ！と、いやがるおぬまさんの手から奪い取ったのがこの印刷物（写真右）です！むう…まだまだ未完成ですな。

これじゃあなんだかよく分からないや。
あざらし「完成までどのくらいかかりそうですか？」
「もうじきですよ」と、おぬまさん。ふーん、なーんだまだ先なのか。
「本当にもうじき、もうすぐにでも完成しちゃうよ。ここのスクープを待つまでもないからね」
おぬまさんほんと？ではすぐにでも裏日記をアップせねば。

北海のあざらし「今回の印刷ツールは、次のおかるのバージョンアップの時にくっつけるんでしょ？」
おぬま「いや、装備しない」
北「な？！」
お「外部ツールとして使ってもらうつもり。で、将来のおかるの大幅なバージョンアップ、メジャーバージョンアップの時に、印刷機能を搭載する予定です」
北「メジャーバージョンアップってなに？」
お「でかいバージョンアップのことさ」

あざらしはそれを聞いて動揺しました。せっかく開発した印刷機能、てっきりすぐについてくるものと思っていたのに！なぜ、なぜだおぬまさん。つめよるあざらしに、おぬまさんは、「まだはっきり決めた訳じゃないけど」と断りをいれつつ、「おかる」を全く新しくリニューアルする、つまり「新おかるを開発」という、寝耳に水の構想をドカーンとぶちまけたのです。えー、またおかるを作るんかいな。あざらしの頭には、驚きと同時にいくつもの疑問が沸いてきたのです。以下、おぬまさんへのつづきのインタビュー。

北「そのメジャーなんとかアップはいいとしても、どうして印刷ツールをくっつけてすぐ発表しないのですか？あざらしは、すぐがいいと思うのですが…。」
お「いや、だからとにかく、根本から作りなおしているわけですよ。おかるの表示アルゴリズムを根本から作りなおしているわけ。全く別物を作っているわけだから、今のやつに搭載というわけにはいかんのですよ」
北「違うおかる？」
お「その通り」
北「ひょっとして、金とる？とるのですか？」
お「んーーーーーーーーーーー。むーーーーーチラッ」
北「なぜ見る」
お「悩んでいるわけだよ」
北「では、その印刷つきおかるはいつ頃発表なのですか？」
お「新しいおかる？うーん、来年くらいかねえ、一年くらいはかけますよ」
北「一年も？なんで？」
お「まあやり残したことを全部やりたいなあと。ＤＯＳ版で出来なかったことややり残したことをやるわけです。数値クラスとか、おでたをおかるに組み込んだりとか、日記機能をもっと充実させたりとか。例えば、日記を入力だけでなく日記専用のダイアログで読み返したり編集したりとか。Ｔｏｄｏも、使い勝手をにさらに良くして、それから印刷機能付け加えるときは、ＷＹＳＩＷＹＧも完全にしてね……あと常駐しているときにおかるを直接一発入力出来るようにとか、あとはアラーム、アラームとか、もっと充実させてー（早口になっていくおぬまさん）」
北「ゆっくり喋ってください（落ち着かせるあざらし）」
お「……たとえば、突然アラームが現れてどきっとするじゃないですか、そういうのも改良してね。あとはなんだ、そうだ、グラフ、グラフモードの再現、あとはおじゅうとの連携も、もっと密にして。それから、タイムテーブル。一日を時間で区切って表示するわけだよ。自動保存とか整列関係もまだやりたいことがあるし」
北「そんなにぶちこんで、ソフトが重くなるのではないですか？」
お「多少、速いというか軽いというかすっきりというか……スリムってほどでもないと思うけど」
北「軽くなるの？ほんとに？！」
お「うん」
北「なんでスリムに出来ちゃうの？」
お「内部的に全く変わっちゃうんだけど、表面的には今までとそんなに変わんないと思うけど、まあ、そうなると思う。わからんけどね、実際作ってみないと」
北「ふうん」
お「いろいろ、そりゃもちろんやるさ。ちょっとまだ未定なんですよ。あざらしさん、今日は床屋も行くし、忙しいからここまでですよ。つづく。つづくですよ」
北「ここまで？」
お「トゥビーコンティニューさ（髪をとかしながら部屋を出て行く）」

唐突に終わってしまったおぬまさんインタビューですが、怪しい話がホラではなく、本気だということが実感として持ち上がってきました。もうおかるなしでは生きていけないのか、おぬまさん。よく飽きないなあー、などと口の悪いことをつぶやくあざらしですが、いやあ、どこまで便利機能を追求していけば気がすむというのか。あざらしは、最初から作ると聞いただけで気が遠くなりそうでしたが、本人はなぜかワクワクしているようで、どことなく自信すら持っているようです。なにか今までと違う新しいことを企んでいることは確かなようですが……。

「シナリオタブなんて、こんなの作って何人の方が使用するというのか」
と、前回の裏日記でおぬまさんをあざ笑ったあざらしですが、なんと、このたびシナリオライターの団体を主催する方がらおぬまさんにメールが！シナリオタブがあるエディタは珍しく、大変使いやすいです、とのこと、なんと？便利に使いこなしている方が存在していたではないか！「どうだあざらし！やはりオレの判断は正しかった！」と得意のダンスを披露するおぬまさん。正座して頭を下げるあざらし。いやあ、まさか、本業の方が現れるとはなあ。誰も使わないなんて書いてしまいましたが、万人向けのスタイルタブ、なかなかやるじゃない。

最近、おぬまさん宛のメールがだんだんものすごい数になってきたらしい。横から見ていると、せっせと返事を書いているようですが、機能の説明やトラブルの対処などの難しい質問など、ゆっくり考えていると翌日メールの洪水がうわーと来るそうで。「うれしいけど、トラブルもあるし。とにかく大変」とのこと。おぬまさんはメールが毎日来ていいなあ、あざらしは、エッチなダイレクトメールばっかり来る。看護婦のまみちゃんからとか。
それはいいとして、おぬまさんへの要望メールはずんずんたまる一方。バグ報告を受けた時など、なるべく早く対応したいと思っていても、用件によっては返事に時間がかかる場合があるようですので、ご了承下さい、とのことでした。
また最近は、どうやって調べられたのか（住所からかなあ）、おぬまの自宅に直接お電話されるユーザの方もいらっしゃいました。急ぎのお話など、お気持ちはわかるのですが、おかる及びおぬまソフトのサポートは電話でのやりとりではなく、ニフティ会議室やメールを中心に行っていますので、その点もどうぞご理解下さいますよう、よろしくお願いします。

おかるとは関係ない話ですが、裏日記でも一言書かせてもらうことにしました。
あざらしにとっては、お義父さんになるわけですが、今月、７月５日の午前１１時頃に、腎臓ガンのために亡くなってしまいました。最期は小沼家の家族と親族全員に見守られて、苦しみも少なく、病室で静かに息がとまりました。お父さんも家族みんなも、本当に醒めない悪夢の中にいるような、絶望的な闘病生活でしたが、最期はとても穏やかな顔でした。悲しむ暇もないまま葬儀は淡々と進み、おぬまさんが喪主を務めました。
あざらしも寂しいです。病気を知らされてから半年間の闘病生活でした。その間東京を離れておぬまさんと二人、お父さんと毎日四六時中一緒にいたのですが、今は家の中ががらんとして、生活に穴があいたみたいです。
私の妊娠が発覚したとき、「それはおめでとう」と嬉しそうな顔で言葉をかけてくれたお父さん。庭いじりが大好きで、草むしりが出来なくなった身体をなげいていたお父さん。かわりにおぬまさんとあざらしが草むしりをして、それをずっと眺めていたお父さん。お父さん、向こうの世界で病気から開放されて、今ごろ元気でやっているでしょうか。あざらしはそういう世界を信じたいです。

先日大募集したおかる記事の公募ですが、結果を発表します、ジャーン……メールは、０通です。あう！のけぞるあざらし。
やはりこの企画は無理があったのでしょうか……。るーるーるらるららー（唄、由紀さおり。）応募が沢山来ちゃったらどうしようかなあ、あみだくじ抽選にしようかしら、なんてすごくウキウキしていた自分が、今月は気難しい顔をして座っています。そう、ずばり言って企画倒れです。もう一度書きましょう、きかく、だおれ。床に倒れるあざらし。ううう、恥ずかしいよう……。
でも恥ずかしさのあまりもっと恥ずかしいことをしちゃう。さらに募集します。気が向いた方、どうぞおぬまさんにメールを送ってください。懲りずに待ってます。来月、さらに誰も来なかったら、１０回くらい「企画倒れ」と書いて、さらに赤面したあざらしの写真を掲載します。どうなる次号！

慌ただしかった私生活がいきなり時間だらけになり、急にやることがなくなってしまったおぬまさん。自宅で弔問のお客さんを相手にしながら、部屋でメールを整理したりする毎日。開発の手もゆっくり進んでいます。ソフト開発のやる気は充分あるようですが、エンジンのかかり具合はやや空ぶかし気味のようです。
現在は、オズのバグ直し、ＷＹＳＩＷＹＧをより完全にするためのプログラミングを中心に、おかる印刷ツールの仕上げと、仕事本の原稿を書くのに追われています。