紅が住む鳥のねぐら
桃の花が咲く林の中を逆上り
桃源郷の四時四十一分
コンセントの火花
フクロウが晒される暴虐の彼方で
縛られても貫くと君はいうけど
形作られる声の中
梅雨の中のリスがギロチンで
両手首が穏やかに奥ゆかしく
涼しい雨の中
巨大な溝にはまってる淘汰された秩序
ガムテープでバリケードされた玄関の長い長い平和の吸殻
脱税された移民の谷
耐える火
合意する木
ある者は老いた
耕しながら 耳垢を
時間よ止まれ
遅過ぎる 早過ぎる
耐えられない顛末
それは除き去った消耗
はしゃいでる眼鏡の横で困ってる許された訳
尋ねないでくれ
手拍子して椅子で擬態語を鳴らす
設置された輝き
軟弱な軽視で
中心軸は辛抱しながら
鮫を補佐する翼
閃く門出の長所の長女は
妹の虫歯の原因のナトリウム原石
長い間 長い夜
長舌な歩幅で
蚊が僕等の腰を折り曲げた
風の方向の計測を謝った飛行船の様に
耳をつんざくチャイム 五時
壊れない
水
死なない
水
死はない 知ってるだけだ 死を
死なない
死
真夜中のスイミング
星
誕生する言葉は請け負う前に殺されるから 水晶の里で邪悪ささえも 泳いでいく
真夜中の川を 人々と一緒に 請け負ったから 掴んだ 生を
メモられた哀しみと死の戸を閉めて 山は流れていく 素朴な空と共に 太陽の流れ
幾千もの 生 束ねられて 解けていく 生 目覚めた心の友と 忌まわしい記憶と
忍んで 忘れられた 生
変わって 立ち尽くしていた 濁ったショクさえも 唇の 蝶
触れられた 生
唇の
蝶
触れられた
生
(2004.5.29)
いそのカツオをブッ殺せ! Copyright(C) 2004 矢萩純一 題字: 矢萩純一 デザイン: おぬま ゆういち 発行: O's Page編集部 |