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キシタケ音楽四方山噺
 その16

『SkaーBooーDaーBa』
『SkaーBooーDaーBa』
1966
The Skatalites
酔いも深まってうつらうつらしていたら、『サマー・ソニック』(外タレのフェスティヴァル)のダイジェスト番組がTVで流れていた。カッツがムクっと起きだしてバンドの解説を始めた。千葉まで(あの暑いなか)見に行ったという。若いぜカッツ、鼻風船を膨らましていた顔は完璧にオヤジだったが。 しっかし出てくるバンドの半分くらいは知らん。ロック・ファンとしては完全に現役を退いてるな、今のUKロックは聞かないもんなぁ。あざらしがみんなに夜食を作ってくれる。説明を忘れていた、編集長宅で飲み会をしたのです。毎回のことながらいろいろ料理を振る舞って貰って恐縮する。。一人もんなんで尚更そう思うな。

話は元に戻って。次々とバンドが変わるので印象もダンゴなのだけど、スカ系のバンドは良かった。ここのとこずっとマイ・ジャマイカ音楽月間が続いてます、今回はスカについて。 今も次々と出てくる新しいスカのバンドの音はパンキッシュにテンポ・アップされてるけど、聞く度に40年前のスカタライツの演奏がダブってくるのは面白い。思うにそれは、スカというスタイルがコッテコテの方言だからなのだろう。 50年代のジャマイカ、若者の間で流行っていたアメリカのリズム&ブルーズをコピーして、地元のミュージシャン達がレコードを作り始めたのがスカ誕生のきっかけだったという。言葉が化けると書いてナマると読むけど、ジャマイカでは音楽が化けたワケだ。土着の民族音楽やラテン音楽の影響等、訛った理由は色々と指摘されてるけど、詳しくは音楽書でどうぞ。ただ、地域色が濃厚になって泥くさくなっていくのは、ポップスのスタイルとしては進化(深化)している事だというのは重要な点だと思う。 で、その訛り化を推し進めたのが、元々はジャズを演奏していた スタジオ・ミュージシャン。トロンボーンのドン・ドラモンド、テナー・サックスのローランド・アルフォンソ、トミー・マクック、アルト・サックスのレスター・スターリング、キーボードのジャッキー・ミットゥ等々、これらの面々を中心に、膨大な数のスタジオ・セッションをこなしつつ(まだコーラス・グループだったボブ・マーリーとウェイラーズの最初期の録音のバックも務めている)結成されたのがスカタライツというワケ。 ジャマイカがイギリスから独立したのが1962年、国の盛り上がりに呼応するように、ユーモラスでありながらクールな感覚もそなえたスカは大ブームになったという。

紹介するレコードは『SkaーBooーDaーBa』ホーン陣のアンサンブルも勿論いいけど、ウッド・ベース(ロイド・ブリヴェット)のハードボイルドな鳴りがサイコウ。当時のジャマイカの熱気が伝わってくる。輸入盤のみなのが残念。
 

キシタケ(2002.11.30)※執筆は10/15

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デザイン: おぬま ゆういち
発行: O's Page編集部