その43 |
『Live / Early Singles』 2004 Trouble Funk 『Trouble Time』 1992 Trouble Funk |
トラブル月間が何故か終わらない。 すすけた商店街の靴屋とかに貼ってある「本日特売日」みたいだ。 しかも今月の新作もかなりのもので トラブル波にのまれ既にアップアップときてる。 まぁ、世間に溢れる大トラ特大トラに比べたら、 中の下クラスのトラブルだろうけどさ。 ちくしょう、何でこうなるんだ やってらんねー 引越しの為の荷物の梱包とかしていると、ついつい愚痴が出ちまう。 住んでた場所を追い出されるなんて状況は人を卑屈にさせる。 こんな時のBGMは、そうトラブル・ファンクしかあるまい。 早速ライヴをかける。 うー、腰のすわったこのGO-GO ・ビート、最高っす。 60分弱で4トラック、しかもこれは単なる編集上の切れ目で 実際には途切れず演奏してるはず。 一曲をずっと演奏しつづけているのか、 似たような曲をメドレーで20曲やっているのか、 そこら辺は余人には計りしれない。 そもそも誰もそんなことは気にしてない、とも言える。 地元ワシントンD.C.でのライヴは夜中ぶっとおし、 4、5時間は平気でやるという。 勿論ほとんど途切れなく。 大昔に見たライヴでも、2時間半の中で演奏が止まったの5回くらいだったか。 巨漢ベーシストがチラチラ腕時計をチェックしてるのも可笑しかった。 グル−ヴにハマったら、当人たちも時間の感覚がふっとんでしまうんだろう。 ブラスも含んだ10人の大所帯、噂通りのファンク・バンドぶりだった。 心臓の鼓動にも似た独特のシンコペーションをくりだすバス(キック)・ドラムと ラテン・パーカッションのコンビネーション GO-GOと呼ばれる独特なファンク・スタイルの肝といえる部分 これがハマる このまま延々と続いてくれっていう感じ 実際に延々とやっていたワケだ なにもかもが何とかなるような気がしてくるから不思議だ いかんがな、それじゃあ 80年代半ばのワシントンD.C.では、かなりの数GO-GOのバンドがあり GO-GO・シーンというものが形成されていたという。 なにしろ街の中心部の居住者の7割がアフリカ系アメリカ人といわれ、 「チョコレート・シティ」と称される土地柄。 週末は、どこのライヴ・ハウスも黒い熱気で渦巻いていたようだ。 トラブル・ファンクはその中でも中心的な存在だった。 あっちにトラブル、こっちにトラブル 世の中トラブルだらけさ オラオラ、まとめてかかってこいやー 爆弾ファンクをお見舞いしてやるぜ GO-GO・ビートに身を任せりゃあ トラブルなんぞ全て解決 タフな日常を切りぬけろ (歌詞超訳) 暑苦しさ満点の野郎ども(ジャケ写を見よ)が、叫ぶ吠える。 観客とのヤケクソ気味なコール&レスポンスなんかたまらん。 確かに連中が束になったら、どんなトラブルでも解決しそうだ。 ご利益にあずかりたい、マジ。 ペシャンコにさえならなきゃ、よしとする。 いまは波が去るまでやりすごすしかないないな。 |
キシタケ(2004.5.27)※執筆は4月
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