屍の上に立ってる 屍の上に立ってる どうする事も出来ずに 愛は泣くだけ 笑いながら ニュースを読み上げている女が 突如として涙を零し 涙がとまらなくなる様にその涙は 僕等の足元の屍の上に落ち 屍も涙を零し その涙は大地の上に落ち 炸裂して 幾千もの 花 ピンクや白や黒や黄色や茶色の 花 屍の 花 青ざめた 空 青白い死体の顔色の様な 薄いブルーの 雨が降る 屍の上に そっと 降る 雨 その雨が何色でも 僕等の足元の屍は 決して洗い流されはしないだろう 屍の上に 彼女は舞い戻ってくるだろう 彼女は舞い戻ってくるだろう そして嘘ツキ共を皆焼き殺し 屍の真っ白い灰でこの大地を覆い尽くしてくれるだろう 彼女の涙 滴り落ちる 僕等の足元の 屍の真っ白い灰の上に その真っ白い灰の上に また新たな屍が 幾重にも幾重にも積み重ねられていく 屍の上に 立ってる 愛は泣くだけ 屍の上に 平和は立っていられないから 屍の中に埋もれていく 屍の中に埋もれていく 屍の上に 屍がいくら積み重ねられても 埋もれるだけだから 届かずに 手遅れなだけに 手をくれ 屍の中に埋もれていく 屍の中に 埋もれていく そして屍の中で 奇妙な安堵感に襲われ 眠りにつく 愛と平和を両側に携えて ウェディングドレスを着たまま 屍の霞の中 手榴弾が飛び交っている 土砂降りの真っ赤な血の雨に打たれながら 真っ白な平和は 真っ赤な血の涙の花に・・ 屍の霞の中 奇妙な安らぎを覚えながら 平和は 彼等と 僕等の死を 待つ 平和は 屍の柩の中 奇妙な安らぎに包まれながら
安らかな死を待つだろう 泣き疲れて眠るように
キリストは言った 死者の後始末は死者に任せろ でもたまには 嘆かせてくれ 奇妙な安らぎに包まれながら
泣き疲れて眠るように
洗い流してくれるでしょう 洗い流してくれるでしょう きっと きっと いつの日か きっと きっと 洗い流してくれるでしょう だって ほら 昨日のカンカン照りに照らされた 緑の葉っぱが 電信柱が アスファルトが 雨に濡れて 悲しみに洗い流されて 嬉しそうに たたずんでる 静かに そっと 降る 雨 何もかも 何もかも 洗い流してくれるでしょう そうしたら きっと きらきら きらきら 輝くの だって ほら 静かに そっと きらきら きらきら 降る 雨 雨の一粒一粒は晴天の霹靂よ きらきら きらきら 光輝いてる 雨 何もかも 何もかも 洗い流してくれるでしょうそうしたら きっと きっと いつの日か きっと きっと 洗い流してくれるでしょう 大地にキスする蝶の様に
(2003.4.21)
いそのカツオをブッ殺せ! Copyright(C) 2003 矢萩純一 題字: 矢萩純一 デザイン: おぬま ゆういち 発行: O's Page編集部 |