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キシタケ音楽四方山噺
 その2


『Puro Suingue』
2000
Jorge Ben
 「そわそわと、スポーツ番組探す日々」

 ……一句上がり。

 フットボール(サッカー)ブラジルブラジル音楽
 僕のシンプルな頭の中には、こういう図式がある。そしてさらに。「フットボール(サッカー)」「音楽」「ジョルジ・ベン」。こうなる。
 音楽大国でもあるブラジルに、天才や奇才は数知れずだし。現在のプラジル音楽を代表するミュージシャンとなると、60過ぎて益々“粋な男”のカエターノ・ヴェローゾになるとは思うのだけど。ブラジルのサッカーを見ている時に、連想したり聴いたりするのは大体この人、ジョルジ・ベンの音楽。
 サンバもロックもソウルもファンクも何でもござれの、ごった煮サウンド。陽気でちょっと滑稽。強引なノリだけど軽やかでもあり、大雑把とも言えるけど繊細さもある。深く考えてるようで、あんまり考えて無いかもしれない(失礼)。イマジネーションはクールに喚起され、頭の中をぐるぐる駆け巡る。

 ホメすぎ?実際そうなのです、ハマるとね。人がサッカーに求める熱狂と同じ物が、そこにはある。

 76年アルバム『Africa Brazil』は傑作と言うしかないけど、彼の全盛期・70年代のヒット曲を網羅したコンピ盤『Puro Suingue』が入り口としてはベストでしょう。題名は「ピュア・スイング」いう意味だそうです、うーんピッタリだ。
 
 次回はアイルランドで。
 

キシタケ(2002.6.6)

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デザイン: おぬま ゆういち
発行: O's Page編集部