その3 |
『The Beatles』 1968 The Beatles |
毎回の儀式みたいだけど、31日の〆切り日までシナリオの書き直しをしていた。 ドラマ・シナリオのコンクールには毎回落ち続けているから、良くない儀式なワケだけど、これは性分というヤツですね。何とか、書いたモノでお金が入ってくる状態になりたいぜと、手を合わせつつ某TV局に郵送する。こういうサイクルを何年続けてるんだっけ? でもまぁ、晴々とした気分にはなるな。 夜のW杯開幕試合まで未だ時間があったから、レコ屋を何軒か覗いてみる。エミネムの新譜くらいか、めぼしいのは。ロック・アレンジされた「木綿のハンカチーフ」がかかる。ヒット狙いの新人バンドだろうか、ちょっとウンザリ。気にせず中古盤を漁っていると、聴き慣れたメロディになった。ジョン・レノン、じゃなくてビートルズ、いややっぱりジョンの曲。「ヤー・ブルーズ」。そうか歌ってるのは椎名林檎か。 全曲カヴァーのアルバムを出したんだっけ、ナルホド。でもグっとくる曲だ。「ザ・ビートルズ(通称・ホワイト・アルバム)」に入ってる。1968年のビートルズ、バンドとしての終わりが近づいている頃。各メンバーが自分の曲を好きなように録音して、2枚のディスクに詰め込んだアルバム。中でも、焦燥と激情と諦観を揺れ動くジョン・レノンの曲が好きだ。ほとんど原曲通りのカヴァーだけど、改めて曲の良さが分かるし。その時のジョンのリアルな感情まで伝わってくる。 椎名林檎って、ルックス以上にはその音楽に興味は持ってなかったけど。いい歌手なんだな、見直した。ビートルズを聴きたくなったのでアパートに帰った。「ホワイト・アルバム」のCDを引っ張り出す。LPは田舎に未だ置いてあるハズ。初めて聴いたのは中学生の時だっけ、思わず遠い目。もうすぐ、フランス×セネガル戦が始まる。 |
キシタケ(2002.6.17)※執筆は5/31
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