その12 |
『That's The Way Of The World - Alive In `75』 2002 Earth,Wind&Fire |
気がつくと、とっくにタールマンは引っ越していた。毎回毎回手伝ってやると言ってるのに、今回も連絡はナシ。ちょい前は僕のドラッグ常習疑惑を吹聴してるし(やってないって)10年来の付き合いだっつーに。あいつはもうブラザーじゃない。 そう言えばアメリカのR&Bモノを一枚も紹介していなかった。ヴィンテージのイイのが入ってきたんですよ、旦那。アース・ウインド&ファイア(以下アース)の未発表ライヴ盤『暗黒への挑戦ーアライヴ・イン`75』75年といへばアースの全盛期。いーでっせー、燃えまっせー。まだMTVも無かった80年代の初頭、ど田舎のポップス少年にも手軽に情報や音が得られたブラック・アーティストというと、アースかスティーヴィ・ワンダーで(それ以外のブラック系って、マニア内の人気という感じだった)当時は、そりゃもう凄い人気でした。僕なんかアースのポスター部屋に貼ってたし。支持基盤のブラック・コミュニティを大きく越えた世界規模のブレイク。未だにその頃の威光が通用してるわけだから(特に日本では)何をかいわんや。ただアースの場合、ディスコ・ブーム(笑)が追い風になったのは確かで、今はそれゆえか 「レッツ・グルーヴな(笑)」とか「アバやビージーズと変わらへんやろ」とか軽く見る輩が続出。タワケ者、ゴッチャにするな。三階から16文キックをくらえと。ギヴしたところでライヴ盤を聴かす。そりゃ今だって現役バリバリでやってるけどさ。何と言っても全盛期のアース!この躍動感漲るファンク魂を聴け。このエレピ、ギター・カッティング、フェニックス・ホーンズも黙っちゃいないぜ、くーっ(感涙) スティーヴィやアースの音で今一番面白いと感じるのは、オーセンティックなブラック・ミュージックの中にラテンやらアフリカやらブラジル音楽を上手く混ぜ合わせてたトコロ。ゴリゴリの黒っぽさを中和させて、ファン層の拡大を図るというスケベー心も勿論あっただろうけど(笑)その音は確実に、アメリカの外の世界に対しても開かれていたと思う。最初にハマったブラックのアーティストがアースやスティーヴィじゃなかったら、いろんな国の音楽を聴くような音楽嗜好にはなってなかったと思う。アース・ウインド&ファイア(すごいグループ名)とリーダーのモーリス・ホワイト氏に、感謝。 私信、僕の機嫌を直したければ鰻オゴれ、タールマン。ただし国産限定。 |
キシタケ(2002.9.14)※執筆は7/30
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