その２２

『DEBUT ALBUM』 20×× JUMBO

うんざりするような寒さだった12月2週目の木曜日。友人のバンドのライヴに行った。『JUMBO』というそのバンドは、これが初ライヴだった。 リード・ヴォーカルとギター の池上は昔のバイト仲間。前のバンド『FATS RODEO』のライヴも割と行ったのだけど、今年の頭にメンバーの音楽的方向性の違いやらなんやらで解散したというのを、その後に聞いた。なんとなくバンドで活動するのに疲れてしまったので、今は気ままにセッションとか時々やってますという言葉を少々悲観的に受け取って以来、音沙汰無しだったのが再始動なったという。ヤツのブルージーなヴォーカルとギターをかなり気に入っていたので、嬉しい知らせだった。 大久保のライヴ・ハウスで見た『JUMBO』は、一曲目からグっときた。狙ってるものは明確。3ピースのバンド(あとメンバーはベースとドラム)が出す音は、あくまでシンプル。だからこそ、池上のヴォーカルとギター、それに曲が引き立つ。 部屋でギターを抱え曲を紡ぎだす、真摯に音楽に向き合おうとする姿が目に浮かんできた。ジャージーな曲やレゲエ調の曲、スティーヴィー・レイ・ヴォーン魂のギター炸裂のブルーズ・ロック、曲毎に多彩なアレンジのワザを聞かせるんだけど散漫な感じはしない。うなってる間にライヴはどんどん進んでいき、僕は静かに興奮していた。 年の瀬に、えぇもん聞かしてもらいました。 これから頻繁にライヴをやっていくとメールがきた、ライヴの告知はオズ日記で(終わるかもしれないというが)するので、少しでもピンときた人、ぜひ見に行ってやって下さい。

キシタケ（2002.12.29）※執筆は12/21

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