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キシタケ音楽四方山噺
 その26

『Time Will Tell』肖像権がうるさそうなのでボカシかましてます。
『Time Will Tell』
1998
宇多田ヒカル
というわけで2003年。このコラムも続いてます。まあ原稿料を前借りしてるんだからね、そもそも。 新年の誓い、前借り止める。 正月の三が日の間ほとんど体を動かせなかったこともあって(前回参照)コタツの中に横たわり村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読み返してました。7年振り3回目、最初に読んだ時は10代だった。予備校に在籍していたけど授業に出る気もなくブラブラ(文字通り)してた時に友人が貸してくれたんだけど、自分でも不思議なくらいハマって、その後は片っ端から村上作品を読んでいった。時間なら腐るほどあった時期だったな。おっそろしく遠い昔な気がする。その頃は日本も好景気で沸きかえっていた(らしい)。いつもの喧騒もなく町がシーンとしているので、思わず追憶モード入ってます。 『Time Will Tell』という曲のサビの部分で宇多田ヒカルは「時間がたてばわかる」と歌っているけど、そこいいんだよね。タイトルもすごくいい(ボブ・マーリーにも同名の曲があった)。15才のソロ・デビュー曲(勿論『Automatic』)のカップリングにそういうタイトルの曲を持ってくるんだから、最初から彼女はタダ者ではなかったワケだ。伸びやかな歌声もいいし、僕は『Automatic』よりコチラの方をよく聞いた。ようやく今月で20才だって?まだまだこれからやね。 夜中にタールマンとメールしてて(二人とも三十路です)『年を喰えば喰うほど、生きることが難しくなってる』という話になった。10年前には考えもしなかったよな。 僕の選択が正しかったのか間違っていたのか、答えはいつか時が教えてくれる。夕日を見ながらそう思う。
 

キシタケ(2003.2.11)※執筆は1/18

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発行: O's Page編集部