『Dilate』
1996
Ani Difranco
『Knuckle Down』
2005
Ani Difranco |
そういえば去年はこの時期ほとんど雨が降らなかったなぁと、降り続く雨の音で思い出した。
夜中に聞く雨の音はいい。
大地をゆっくり浸していく音
あらゆるものを洗い流してくれる音
それは雨からうまれる歌のようだ 『Songs from the Rain』
アイルランドのバンド、ホットハウス・フラワーズの3枚目のアルバムのタイトル。
いいタイトルだ。
たしか中に入っている「エモーショナル・タイム」という曲の一節から取られていたと思う。
ジャケットもなんか良い。
だけど残念ながら中身はイマイチ。このバンドはやっぱ、エモーショナルなヴォーカルを核とした直球勝負一筋の1枚目が一番いい。3枚目ともなると新鮮さも徐々に薄れていって・・・・という感じ、まあロック・バンドの王道パターンと言えなくもない(ロック・バンドなんてパッとデビューして徒花の如く散ればいんだという言い方もあるし)
なわけなんでホットハウスのアルバムはやめといてアニー・ディフランコを聴くことにする。
彼女のアルバムはどれも大体良いのだけどジャケットが好きなんで『Dilate』にする。
芯のあるヴォーカルと絶妙なリズム感で鳴らされるアクースティック・ギター。
何度か共演しているプリンスは、「今まで聴いた中でも最も印象深いアクースティック・プレイ。彼女はリスクを恐れない人だ」とベタ褒めしている。
歌詞はイタい。
ライヴで見たアニーは思っていた以上に小柄なんだけど全身から陽性のオーラを発していて、そのキュートな笑顔に一発で惚れた。
でも、報われない愛を抱えさまよう歌詞は悲しくイタい。
ポップ・ソングは雨の心で書かれていると言ったミュージシャンは誰だったっけ。
彼女の歌も多分、雨からうまれてきたものなのだろう。 |