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ロビ太の脳味噌しぼりたて!
No.3

第1回
〜千葉すずの明日はどっちだ!? PART.3〜

さてまあ無駄話が長くなりましたが、そんな失敗が過去あったので陸連はもう2度と・・少なくともここしばらくは、一発選考に踏み切ることはないでしょう。しかし「一発選考」といっておきながら途中でくつがえすところが、なんか日本人的体質だよな・・・アメリカなんてそりゃあサバサバしてる。というか、それが当たり前だからしょうがないって話。実際、世界歴代4位の記録を持つ棒高跳び選手が、今回のシドニー代表選考でまさかの予選落ちをした。しかも理由が、コンタクトが乾いて目がかすんで距離感がわからなかった・・・という笑うに笑えないけどちょっと笑っちゃう話。「落ち込む言葉も見あたらない。シーズン後に(視力上げる)手術する」これが、大会後に呆然としたままの彼が発した言葉である・・・
でもその選考方法もちょっと寂しいよな。一生にたった一度の怪我が五輪の選考会前だった、なんてスーパー運の悪い人もいるかもしれないし・・・。実際、女子マラソンのエース、高橋尚子なんてそういう事をしかねない人物だ。今回のいくつかの選考レース前にも、骨折やら食中毒やら何やら、アクシデント多すぎ。増田明美もそれを心配していて、「尚子ちゃんって、練習中に穴とかに落っこちて怪我しちゃいそうなのよね」と言っていた。あの天然ボケ系の増田さんにいわれるとは相当なもんだ。ホントに関係者はただそれだけを心配していて、「無傷で体調良くシドニーのスタートラインに立てたら、絶対金メダルをとれる」と口をそろえて言っている。確かに高橋のような選手の場合、一発選考はツライかもしれない・・・(でも高橋の場合、骨折してても一発選考なんだったら「這ってでも」行きそうだが)

私がお薦めなのは、ポイント制の選び方。それは今回シドニーから正式競技になるトライアスロンの選考法である。世界選手権やアジア大会、ワールドカップなどそれぞれの大会別にあらかじめ順位によってのポイントをつけるのだ。勝つのが難しい大会ほどポイントは高くなっており、一年とか長いスパンの中で、合計ポイントの高い順から3人を代表に選ぶという、単純明快なもの。これだったら文句の起こりようがない。それに1レースの記録じゃないから、底力を公平に見れる。何故トライアスロンがここまで明確な制度を当たり前にとっているのか、それはその連盟の体質にあるんじゃないかと思う。
トライアスロンは競技自体の歴史も短く、今回五輪からの参加ともあって連盟が設立されてまだ日が浅い。だからこそだと思うが、ここは所謂「権威」の連盟ではなく、とことん民主的なのである。それは監督の選考方法にまで現れている。普通日本代表チームの監督っていうのは連盟が決めるもの。ところがトライアスロン連盟は違った。選手を抱える企業や団体のコーチ全てを監督候補としコーチ達に競い合わせたのだ。1年間で100回に及ぶ強化会議に出席させ、毎回選手の強化プランやその成果を話し合わせた。そうしていくうちに、誰が日本代表を率いる指導者となれるかが、コーチ間の間でも自然とわかってきた。結果文句なしで1人の人物が監督に選ばれたという・・・恐るべき民主制だ。こんな連盟もあるとは、とすこぶる感動した。だからこそ選手選考もポイント制という明確な基準を当たり前に設けているのではないだろうか。

記者会見の千葉すずそれに比べ、連盟至上主義の競技はものごっつ多い。
千葉騒動が起こる以前、水連に「シドニー五輪代表は、代表選考会での成績で決まるんですか?」という質問を出したとき、水連の人はしきりに「いえ、選考会の成績で決まるわけではありません。選考会終了後の委員会で協議の上、決定します!」と繰り返していた。これって要するに、「孫悟空よ、いくら逃げてもお前は私の手の上で踊っているだけなのじゃ」ってこと・・・ってそうじゃなくて、
つまり「選ぶ権限は我々にあって、あんたたちがいくら優勝したって駄目なのよ〜ホーッホッホッホ」って宣言してるようなもんだよな・・・
この世界の中じゃあ、ホント余計なことは一切言えない。連盟バッシングなんてしようもんなら即、退場。こわいわあ〜〜。これで千葉が裁判で負けたら、これから選手達は文句の一つもいえやしなくなる。今、千葉が所属する「イトマンSS」もとばっちりを避けて連盟のイエスマンになっているため千葉はますます孤立してるらしい。これで負けたら、目も当てられない。是非是非勝って欲しいな〜〜。

と思いつつ何もできない私としては、ぜひJOC(日本オリンピック委員会)の八木会長に登場を願いたいですね。この、知る人ぞ知る八木会長は、千葉とは違った意味での暴言野郎。今年の長野マラソンで黒人選手が上位を独占したときには「黒いのばかりに(優勝)とられちゃかなわなん」と口をすべらして(?)しまい大騒ぎになった。(しかし、ちょうど石原都知事の「三国人発言」と重なったため目立たなくなってセーフ)他には「金メダル8個とったら銀座パレードをする」といきなり公の場で言い、JOCのスタッフは大パニック(莫大な経費と準備期間がかかるので、実現は不可能なんじゃないか?「本当に金8個とっちゃったらどうしよう」と関係者は泣いていた)
この八木会長に「千葉を五輪に出せ」とでも、またうっかり発言してもらえばいいんじゃあないか。
前述の女子マラソン代表選考騒動の時も、「それなら候補選手みんなシドニーに連れてって、当日調子の良い子を3人だせば良いじゃない」なんて事をいって、みんなを唖然とさせたのだ。そんなんじゃ調整もできないし選手が精神的にもまいっちゃうから無理に決まってるっつーの。しかし、この一見しょーもない八木会長だが、この人は単に思ったことをいっちゃうだけの人で、根はいい人だから憎めないと関係者達は語っていた。その真意のほどはわからないが、ここは一つその八木会長に「千葉?いいじゃない、出せば。その種目誰も出ないんでしょ?数うちゃ当たるし、マスコミも国民も出せって言ってんだからさ」とかなんとか、無責任に発言してもらおう。マラソンの発言は無茶だが、千葉を出せというのはちっとも無茶じゃない。だから、何気に言ってくれよ。そうしたらほんのちょっとは好転するかもしれない。みんなで八木会長にお願いしましょう。
過去CAS(国際スポーツ仲裁裁判所)で行われた代表選考をめぐるもめ事は3件あり、3件とも選手の勝訴になってるんだってさ。だから今回千葉が勝つ可能性も高いと思われる。
しかし、出場決定したらしたで千葉は大変だな・・・。そう簡単なことではないが、有森裕子のように逆境をバネに是非ともメダルをとってくれれば・・・いいなあ・・・・・。そんでまた爆弾発言をぶちかまして欲しいもんだ。ムカつく時もあるんだけど、無いと寂しいからさ。(おしまい)

ロビ太(2000.7.28)

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ロビ太の脳味噌しぼりたて! Copyright(C) 2000 ロビ太
イラスト: ロビ太
デザイン: おぬま ゆういち
発行: O's Page編集部