No.12 |
第8回
21世紀に訪れた新たな恐怖・・・「逆援男」!
”日本の未来なんてどーでもいいと思っているフザケタ若者”に分類される私でも、近年の事件を見ていると日本の将来が甚だ不安になります。通りがかりの人を殺しちゃう。好きな女を殺しちゃう。むかついたから殺しちゃう。うっかり幼児殺しちゃう。なんでもかんでも殺しちゃう。なんだかもうわけわからん!
で、今回は手っ取り早く本題。そうした殺人者たちももちろん心配ではありますが・・・世の中には、知られざる「心配な人たち」がまだまだいるのであります。それどころじゃありません。現在、奴らの増殖によって日本は未曾有の危機に陥いろうとしているのです。むしろ世の殺人者たちに言いたい。そんな訳のわからん殺人してる暇があったら、奴らを殺せ。奴らとは誰か?そう、タイトルにもあります。「逆援男」・・・こ奴らです!こ奴らを殺して欲しいと切に願います。
大半の良識ある人は思うでしょう。
「逆援?なんじゃそりゃ」
はい、では説明しましょう、”援交”すなわち”援助交際”これはそもそも、女子高生がリッチなオジサマに、体を売ることを指します。ま、売春ですなバイシュン。
さて逆援とは?その逆っつーことです。男が女に「俺を買ってくでーーー!」とやるってことです。もちろんホストなんかじゃありません。一般の男です。
「そんなの見たことも聞いた事も無い!」
はいそうですね。そう思うあなたはまともです。さて問題、これらがどこで行われているのか?はい即答、出会い系サイトでございます。出会い系サイトに女として登録してみてください、もう、逆援男の宝庫。ざっくざっくと見つかるでしょう。ホントに腐るほどいます。というかすでに腐ってます。これは一体どうしたことでしょう?いつからこの国はこんなことになってしまったのか?
今回は、そのどーしようもない腐った現状について、あるがままをお伝えしたいと思います・・・
さて事の始めは先月のこと。私は出会い系サイト事件の特集番組を担当することになりました。「主婦が浮気をばらすと恐喝された」「出会い系であった男に拉致されて連れまわされた」、などなど。まあその手の、最近よくある事件です。私はいままで出会い系サイトをしたこともなく、興味も無かったのですが、まあ仕方が無い。一度やってみるべか、と、適当なサイトに登録し、男性が書き込みをしている掲示板(男性のメッセージが書かれている場所)を読んでいったわけです。
「バツイチ30歳、最近エッチしてないから溜まってます!」
「不倫できる人。秘密厳守で」
「まじめに彼女欲しい!出会いください!」
・・・ふんふん。なるほどそういう感じか。
と、予想範囲内の書き込みに納得しつつ読んでいったら謎のメッセージが!
「体に自信アリ!5くれれば満足させます!」
・・・ん?「5」?「5」とは何ぞや?
まあいいや、と不可解ながらもその場は流し、他の人を見ていく。と、またも謎の文・・・
「¥援助してくれる人。速攻こちらにテル→090・・・」
こ、これは一体?こやつらは、一体なんなんだ?探してみれば、他にもあるある。
「36歳既婚です。私を買ってください。顔はまあまあです。後悔はさせません」
36歳!?しかも嫁がいるのに逆援か!?
「僕の童貞を買ってくれませんか?29歳です」
アホか!29にもなって童貞捨てられないようなヤツと何故金払ってまでしなきゃならないんだ!?
「40歳。月20で契約してくれませんか?」
オヤジじゃないか・・・仕事しろよ・・・涙。
出会い系サイトを運営する人にインタビューしたとき、逆援男についても聞いてみた。すると今、どこのサイトにもそういう輩が大量にいるそうな。一年前はほんの2、3人いるくらいだったそうだが、今ではそのサイトだけでも100人以上(推定)はいるらしい・・・。現在出会い系サイトは全国で10万件あると言われている。規模の大小、実質稼動してるかどうかを考慮して半数の5万件と考えたとしても、5万件×100人で500万人。ただし一人でいくつものサイトに登録している場合もあるので、例えば一人5サイトに登録していると考えると、500万人÷5。つまり全国に100万人の逆援男が存在するという概算になる。これは恐ろしい数字だ。
しかしこれだけ逆援男がはびこっている以上、買う客もいるのでは?と思う人もいるだろう。しかしそれはほとんど無いようだ。逆援男10名ほどと「買ってあげてもいいわよ」などとマダムのフリをしてメールのやりとりをしてみた所、どうやら金をもらえた試しはないようだった。大抵、暇つぶしの主婦に「会ってあげる」などと口先だけでからかわれて終わったり、サイトが雇ったサクラ(男性にサイトの利用料・・・メール一通300円等・・・を払わせるため、素人の女性になりすましてメールをする人がいるそうな)に騙されて終わる。逆援などというアホな夢を見ても、残るものは巨額の携帯使用料&サイト利用料だけなのだ。それでも、甘い夢を捨てきれない男達が毎日のようにサイトにアクセスしている。
援助交際という言葉が流行ったとき、「世も末だ」と嘆いた人は多かっただろうが、逆援男の方がタチが悪いと思うのは私だけだろうか?バカな小娘たちが体を売って小遣いを稼ぐのも十分バカだが、こちらは大人の男である。なるほど確かに女より貞操観念が低い分、また肉体的危険が少ない分、体を売ることにさほど抵抗も無いだろう。しかし考えてもみろ。情けないではないか!40を過ぎた中年男が、働き盛りの30歳が、セックスを金に変えようとしているのだ。日本男児は一体どうなってしまったのだろうか?同情的な目で見れば「不景気だから」で片付くのかもしれないが、話を聞いて見るとどうもそうではない。遊興費で使ってしまったお金を補填しようとしていたり、分不相応な車を買ってそのローンに苦しんでいたり・・・と、同情したくても出来ないような奴がほとんど。中には逆援相手を探しに来たものの、見つからないままサイト利用料ばかりがかさみ借金が増え、それを回収するためにまた逆援相手を求めて出会い系サイト来て金を使うという「永久循環系バカ」もいる。
金の使い道がなんであろうと、彼らの思考は皆同じだ。金は欲しいが働きたくない、それでもってセックスもしたい。だから逆援。「セックスできて、お金ももらえるなら一石二鳥!」てなことだ。
・・・はっきり言わせてもらう。おまえら夢みすぎ。ありえないから!マジで!
29歳童貞のお前、お前の童貞を買ってくれるヤツがいると本気で思っているのか?風俗行ってキッチリ金払って筆卸ししてもらえ!
実家に引きこもり中の33歳、働けないだと?逆援でリハビリか?逆援する気力があるなら働け!
女房が妊娠中に逆援しようとする腐れ旦那、パチスロで金使いすぎたって、アホか?しかも「女房の通院時間ならバレないから!」って意気揚揚というんじゃねえ!
「友達の借金の肩代わりで現金が必要なんだ!」などと、みえみえの嘘で同情を誘おうとするな!保証人と連帯保証人の違いも知らないくせに何が「取り立てが厳しい」だ!
28歳のお前、いい歳して堂々と「遊んだり服買ってるとお金足りなくなっちゃうからお小遣い欲しいな〜」とか言うんじゃねえ!お前アホだろ?マジでアホだろ?あーもう鬱陶しい!!
彼らがどこまでアホなのか、ここでちょっと実験。「お金なら幾らでも出すわよ(はぁと)幾らがいいかしら?」なんてメールをしてみた。するとどうだろう!信じられないような返事が続々と返って来た!
「一晩何回でもOKってことで、15万円でどう?」
「会ってみて、貴女が俺の好みだったら10、好みじゃなかったら15でどうですか?」
「まずは20万かな☆」
「月に100万円ください」
・・・・・・くれぐれも言うが、全部事実です。ノンフィクションであります。そしてこれらは皆、20代後半〜40代といういい歳をした大人の男からのメールであります。10代の方がまだ「3万」「5万」など現実的な値段を言ってくる。月に100万などというやつに至っては冗談だと思いたいのだが、男の方はサイト利用料を払ってまでメールをしてきているので間違いなく本気だ。ギャグではない。一体何を考えているのか?自分にそれほどの価値があると思っているのか?近年、女子高生でさえ一回35,000円程度まで相場が下がっているらしい。それなのに大の大人がそろいも揃って、一攫千金のアホな夢を見ているのである。
女のバイシュンだってそう甘いものではない。女子高生であれば「若さが売り」、プロのホテトルは「テクニックが売り」などなど、それぞれちゃんとセールスポイントがある。それに女の場合、セックスしようと思えば相手はいくらでもいる(よほどブサイクでなければ、そして相手を選ばなければだが)。世の中「誰でもいいからやりたい」という飢えた男はゴマンといるわけで、金こそ払ってもらえないとしてもするだけならタダでもできるのだ。しかし男の場合は違う。そもそも男の方が貞操観念が低い上に、構造上性欲を我慢するのが難しい。「したい男」のほうが「したい女」より多いのは自明の理。だからこそ男が行く風俗店は今も昔も栄えつづけているのだ。つまり、「女の売春」ほどの需要は「男の売春」には無いのだ。なぜ逆援男どもはそれに気がつかないのか?
「若くてジャニーズみたいな男の子と一晩遊びたいわ」ってな有閑マダムはいるだろうが、くたびれた男どもに何十万という金を払ってまで抱いてもらおうという酔狂な女がいると思っているのか?そりゃ同じオヤジでも、草刈正雄だったら話は別だ。喜んで札びら撒く女もいるだろう。または鷹サマでもいいかもしれない。「鷹サマにイカセてもらって20万なら安いワ!」っつー女もいるだろう。しかしよく考えろ。ただのオヤジ、しかも特別カッコいいわけでもセックスがイイという保障も無い、そんな相手に大金積む女がいるか?男女逆に置き換えてみればすぐわかる。どこの誰ともわからない、くたびれた欲求不満の主婦・・・顔は泉ポン子だったりする。泉ポン子に「気持ちよくしてあげるから、代わりに20万くれるかな☆」なんて言われてみろ!ぶっとばしたくなるだろ?よほどのマニアなら別だが、買うヤツなどまずいない。可能性は限りなくゼロに近い。男だって同じだ。どうともわからない素人男に、4万5万ならともかく、10万も20万も払う女がいるわけ無いだろう!
そんな当たり前の事に気がつかない夢うつつの男たちが、今日も出会い系サイトに金と魂を注ぎこんでいる。
左手には携帯、右手には半勃起したイチモツを握りつつ「セックスさせてぇ〜お金もちょうだぁ〜い」と呪文のように唱えながら、虚ろな目で徘徊する男たち。彼らのアホな欲望を乗せたメールは電波となって発信され、日本上空を飛び交っている・・・スカラー派よりも危険なのは間違いない!みんな逃げろ!白い布に隠れろ!伝染するぞ!自分の夫が、彼氏が、息子が、挙句の果てには父親までもが逆援男になる日も近いかもしれない・・・いや、近いどころか、すでにそうなのかもしれないのだ。決してヒトゴトではない。すでに日本には100万人(概算)の逆援男が存在し、日々増殖を続けているのだから・・・。そりゃ消費税も上がるし年金も滞るし少子化も進むわ!関係ねえか?いや、ある!あるに決まっている!男が「男」でなくなった国に、未来などないのだ!
逆援(希望)男にモノ申す。とにかく全員、自分の力で金を稼げ!!女にたかろうとするな!体で稼ぎたいならホストだとかその道のプロになれ!プロでやっていけるほどの自信がないなら諦めろ!甘い夢ばっかり見てないで現実を見ろ!お前ら全員、目を覚ませ!!
全員整列!!覚醒するまでケツバット!!!押忍!!!
(2003.11.1)
ロビ太の脳味噌しぼりたて! Copyright(C) 2003 ロビ太 イラスト: ロビ太 デザイン: おぬま ゆういち 発行: O's Page編集部 |