いそのカツオをブッ殺せ! O's Pageバックナンバー月刊文文掲示板前作品次作品

 戦地に自衛隊員が派遣されて 殺されてしまうと その死は 美しい殉職 という事になってしまって 戦争なんて糞丸出しのケツの穴 という真実が検閲されてしまう ああ 実際に第2次世界大戦を経験した 元日本兵のおじいちゃんが 戦争は最も恥ずかしい行為だ と言ってるのに そのおじいちゃんの言葉が 検閲されてしまうなんて そのおじいちゃんが 非国民として逮捕されてしまうなんて そのおじいちゃんもいずれは臨終するのに 本当に強い男なら 父性なら 戦争なんかしないのに あの時 日本も核を持ってたら撃たれなかったんだぞ とインド人が言う でもあの時 日本が核を持ってたら 日本はアメリカに核を撃ち返してたかも知れない 日本はインドに核を撃ってたかも知れない 日本は世界中に向かって核を撃ってたかも知れない 核戦争が起こって僕等は全滅してたかも知れない そうさ 僕等が今 生きていられるのは あの時 日本が核を持ってなかったお陰かも知れない ああ そうさ

 流されて 流されて ここまで来た ここは 島

 武器なんて捨ててしまえばいい 全部 捨ててしまえばいい

 攻める事は出来ないけど 守る事だけは出来る武器

 そんな素晴らしい武器さえも いずれは人殺しの為に利用されてしまうから

 捨ててしまえばいい 流されて 流されて この島も 流されて

 流されて 流されて 戦争が始まってる 皆が皆 撃って撃って撃ちまくって 殺し合ってる 降り注いでる 降り注いでる 血の雨の中 

 武器を持ってる国同志で 撃ち合い 殺し合い 全滅する

 武器を捨てた その島だけが 助かる

 流されて 流されて 降り注いでる 降り注いでる

 金色の 細い 島

 有り得ないと君はいう でも 幼児虐待を受けた子が大人になって 自分の子に幼児虐待をするとは限らない 自分の女を強姦された男が そこら辺の馬鹿を強姦するとは限らない 殺された人の遺族が殺した奴に復讐するとは限らない だって

 被害者が 加害者を許した時 憎しみは 終わってる

 ほら 見てごらん 誰かが誰かを許してる そこで 終わってる

 そこで初めて 怒りの輪っかが 千切れて 終わって 回って

 羽撃いてる 喜びが 始まってる

 許して 許された時

 始まってる

 ほら 誰かが 怒りの輪を止めてるんだ 一人で たった一人で

 そうさ その時は たった一人だ でも

 私達は一つなのよ そうよ

 戦争を無くすには 何もかも許している神の様に 許すしかない

 それが神の計画かも

 何もかも許している神の様に 何もかも許している神の様に 許すしかない

 だって 自分を許す為に あなたを死刑にしても 自分で自分を許せなきゃ 自分で自分を死刑にする事になる

 戦争を無くすには ヤラれてもヤリ返すな それしかない

 何もかも許している神の様に 許すしかない

 それが神の計画かも

 何もかも許している神の様に 何もかも許している神の様に

 無理じゃないよ だって 僕等はもう 許してる 

 殺す事を 死ぬ事を 生かす事を 許してる 許してる

 許されて 許されて 流されて 流されて

 降り注いでる 降り注いでる

 金色の 細い 光

 気にしないで

 争っては駄目だよ

 ジーザス・ビーナス

 何もかも許している神の様に

 神を許そう

 神を許そう

 神を許してしまおう

 何もかも許している神の様に

触って

 あなたの唇に 手で 触れる時 その手は 怯えて 驚愕して 平伏してる 夜

触って

 あなたの唇に 手で 触れる時 その手は 怯えて 驚愕して 平伏してる 太陽

 触って

 狼を恐れさせ てなづけた 少女

 触って

 太陽に触れるみたいに

 夜に触れるみたいに

 触って

 あなたの唇に

 太陽みたいに

 夜みたいに

 空気に触れてる

 あなたの唇に

 手で 触れる時 その手は 怯えて 驚愕して 平伏してる ジーザス・ビーナス

 触って

 あなたの

 唇に

 ジーザス・ビーナス

 何もかも許している神の様に 何もかも許している神の様に

 神を許そう 神を許そう 神を許してしまおう

 許されて 許されて 流されて 流されて

 許して 許して 降り注いでる 降り注いでる

金色の 細い 涙

 頬を伝っていく 金色の 細い 涙

 その道は 細く 細い 光 だが 辿り着く そこは とても 広く 深く 高い 光の中

 武器なんか捨ててしまえばいい

 許して 許して 流されて 流されて

 許されて 許されて 降り注いでる 降り注いでる

 殺し合っている時も 殺し合っていた時も

 降り注いでいる 降り注いでいた

 金色の 細い 道

 今も

 降り注いでる

 光の中

 雪

 

矢萩純一(2003.11.1)


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題字: 矢萩純一
デザイン: おぬま ゆういち
発行: O's Page編集部